
こんにちは、すずです^^
この記事は、新生児の聴力検査(聴覚スクリーニング検査)でリファーと言われた、両耳難聴のある我が家の次男(以下、福耳くん)の成長記録です
同じように、聴覚検査でリファーと言われた赤ちゃんのご家族に読んでほしいと思い書いています
我が家の次男は、両耳とも先天性難聴で、伝音難聴か感音難聴かと言われたら「感音難聴」になります
先天性難聴の子どもの多くは感音難聴で、内耳やそれより中枢に問題が生じているため、音が歪んで聞こえたり所々切れて聞こえるといったことが起こるようです
原因は遺伝性、または胎児期の発達異常だそうです
難聴を引き起こす遺伝子は何種類かあるそうで、遺伝子検査をすれば難聴の原因になった遺伝子が分かることもあるようです
福耳くんは遺伝子検査はしていません
これは私たち夫婦の考えですが、
・遺伝子検査で原因が分かったところで治るわけではない
・原因がこれだと分かることでずっと福耳くんの難聴のことを悩み続けてしまうのではないか
このように思い、検査はしないことにしました
それでは、以下本文です
長文になります
目次を選択すれば読みたいところだけ読めます
誕生から三日後の聴覚検査でリファー!聞こえに問題があるかも、と言われる

2020年11月9日、私と夫にとって第3子になる次男の福耳くんが生まれました!
3日後、朝の回診に来た看護師の方がすっごく言いにくそうに私に言いました
「あのね、福耳くんのお耳の検査をしたんだけど、再検査になっちゃって。あ、でもまだ聞こえてないって決まったわけじゃないから。たまにあることだから。もう一度、退院までに検査してみるね」
「へぇー」
という間抜けな声が出ました
ショックを受けたわけではないです
というのも、一緒に過ごしているときドアが閉まる音にびっくりすることもあって、聞こえてないという感じがしなかったんです
長女と長男のときのことを思い出してみても、「新生児ってこんなもんじゃない?」という気持ちでした
その後、2回目の検査もリファーとなりましたので、大きな病院の耳鼻科で精密検査を受けることになりました
このとき初めて、夫に検査で再検査になったことを言いました
夫の反応も私と似たような感じで、これからのことは追々考えようという感じでした
2人ともメンタルが最強だから悩まなかったとかショックを受けなかったわけではないです
もちろん、スマホがありますので「新生児 聴覚検査 リファー」とかで調べました
色々調べましたが、ただただ不安を煽るような記事ばかり
そんなことよりも、まずは出産の疲れを癒して可愛い福耳くんを眺めることに時間を使おうと思いました
今考えてもどうしようもないことは後回しでいいよね、そういう気持ちでした
黄疸の値が高いほうが心配でした……
それ以外のことは特に問題なく、母子ともに健康で退院しました
退院後の11月20日、1回目の精密検査の為に総合病院の耳鼻科を受診しました
総合病院で「自動聴性脳幹反応検査(自動ABR)」を受ける

子どもの難聴に詳しい耳鼻科で検査を受けよう
精密検査は決まったところでしか受けることが出来ないようで、いくつか紹介されたうちの自宅から一番近いところを受診することにしました
今更ですが、子どもの耳のことに詳しい先生がいる病院はどこか、を調べれば良かったと思いました
産婦人科経由での受診予約だったため、あまり悩む暇がありませんでした
しかも、ちょうど夫が仕事と上の子たちの世話で忙しくしていたため相談がし辛く「一番近いから」という理由だけで選んでしまいました
精密検査を受けた病院の先生は割と若い先生ですごく親切な対応なのですが、こちらの聞きたいことには中々答えてくれない人でした
産科のある病院でしたが、難聴を持って生まれてくる子どもを扱った経験が少ないのかなと感じられました
総合病院でやったことは、
- 聴力検査(自動ABR)※1
- 鼓膜や耳の状態の診察
この2つです
※1 自動ABR・・・眠らせて音を聞かせ「脳波」の波形をコンピューター解析して聴覚の有無を調べる検査。眠らせるために睡眠薬を使ったりする。
4回ほど通いましたがこれ以上のことはなく、4回目の受診の際に「療育」へ通うことを勧められました
このとき福耳くんは生後5ヶ月です
ちょうど寝返りをし始めた頃でした
補聴器を生後2、3ヶ月で着け始める子もいると後から聞きましたので、それを思うと少し遅かったのかなという印象です
聴力は成長する
総合病院での精密検査が全く意味がなかったかと言われたら全然そんなふうには思っていません
1回目の受診の際、産婦人科で受けたものと同じ「新生児聴覚スクリーニング検査」をもう一度受けました
なんと、このときは反応が出ました
生後3日の検査では全く反応がなかったのに生後11日では反応があったということになります
生まれてすぐは羊水がお耳に溜まってることもあり聞こえにくいことがあるそうですが、福耳くんはそうではありませんでしたので、
体が成長するように、耳も成長していったのだと思います
その後、どの程度の音の大きさなら聞こえているかを調べるために「自動ABR」を受けました
結果、1回目の受診時は両耳とも70dB※2(デシベル)程でした
※2 dBとは・・・音圧または音の強さのレベルの単位。人の例で言うと、80dBでかなり大きい声、60dBで普通の声、40dBでささやき声
2回目以降の検査結果は以下のとおりです(全て両耳の聴力)
検査2回目 ・60dB
検査3回目 ・55dB
検査4回目 ・50dB
検査は大体、1ヶ月ごとにやりました
月齢があがるにつれて少しずつ聞こえるようになっています
耳鼻科の先生が言うには、成長とともに「聞こえ」も良くなったんだろうということでした
それでも、同じ月齢の子と比べると聞こえが良くないのは相変わらずでした
福耳くんの家での様子ですが、健聴の子(聴力に問題のない子)とあまり変わりはないように思いました
喃語もしゃべりますし、追視もあるし、哺乳力もありよく寝ます
生後1ヶ月ならそれなりの、生後3ヶ月ならそれなりの成長をしていると思っていました
が、生後5ヶ月児になると「ささやき声に振り向く」そうですが、ささやき声に対しての反応はまばらでした
振り向くこともあれば振り向かないこともありました
音の種類でも聞こえやすい聞こえにくいがあるようで、人の声には反応しなくてもおもちゃの音(鈴やビーズが鳴る音)には反応していました
市が運営している療育センターへ通い始める

言語聴覚士(ST)さんとの出会い
耳鼻科から紹介を受けた療育センターは、自宅から高速道路を使って1時間超かかる他市が運営しているところでした
住んでいる市に似たような施設がありましたので電話を掛けてみましたが、
「うちは難聴専門ではないのでお力になれません」と断られました
発達障がいや身体障がいの子たちが主に通うところだったようです
仕方がないので大人しく耳鼻科からの紹介を受けました
療育センターは小児科と耳鼻科があり、福耳くんは耳鼻科のみの受診になりました
療育センターも難聴だけではなく色々なサポートが必要な子がいました
療育センターに行くと、まず個室で「言語聴覚士」という方とお話しをしました
- 普段の福耳くんの様子の聞き取り(音への反応がどうかというところから身体機能の部分で気になることはないか)
- 実際に音を聞かせて反応を見る
- 両親が不安に思っていることの聞き取り
などをしました
コロナ禍でマスク必須でしたが、やはり難聴の子にマスクでの会話は伝わりにくいということで外してお話しをされました(私たちに許可を求められ、了承しました)
優しい声で、とにかく丁寧にゆっくりとお話しをしてくださいました
人見知りの始まっていた福耳くんを抱っこされましたが、抱っこするときも
「福耳くん、抱っこするね」
と声を掛けてから抱っこしてました
一通り話が終わったところで
「あ、マスクを外したままだった」
と言われ、言語聴覚士さんがマスクをした瞬間、まだ抱っこされたままだった福耳くんが泣きました!
その様子を見て
「あ、この子はよく人を見てるし分かってる。マスクをしたら顔が隠れたから怖かったんだね」
と言われました
確かに、私が家ではマスクをしないのに外に出るとマスクを着けるので、抱っこするとマスクを取ろうとするんです
そして、帰宅してマスクを取ると嬉しそうに笑います
ただマスクに興味を惹かれるのかもしれませんが、私は何となく「顔が見えないのが嫌なのかな?」と感じていました
最近は「マスクの下に顔がある」と分かったのか、マスクとその下の私の皮膚に噛みつこうとしてきます…
「療育」を受けることを勧められ、『福耳くんの耳大丈夫?なんか大事になってきてない?』と焦りを感じ始めていましたが、言語聴覚士の方と出会って少しほっとしました
・補聴器を着けた方が良いこと
・早くから療育を受けた方が良いこと
この2点についてはっきりと言っていただけたことがよかったです
診断が確定!結果は中等度の難聴
福耳くんは中等度の難聴でした
補聴器を着ければ、言語を獲得する為に必要な聴力を補えるだろうということでした
年齢に応じた適切な療育を受ければ喋ることも出来るし、丁寧に療育を行っていくので健聴の子より知能が高くなる子もいるそうです
どこの「療育園」で療育を受けるのが一番いいかを決めるため、療育センターで2ヶ月ほど療育を受けることになりました
療育が始まると同時に補聴器を着けることになったのですが、すぐに購入するわけではなく「貸出」を受けることが出来ました
初めて補聴器を着けたときの福耳くんは、ソワソワして手に持っていたおもちゃをひたすらガミガミと噛んでいました
いきなりたくさんの音が耳に入ってきて驚いたんだと思います
帰宅後テレビをつけると、今まではテレビの方を向くことがなかったのにパッとテレビを見ました
呼びかけにも今まで以上に早く反応したり、遠くから呼んでも振り向いてくれたり補聴器のおかげで福耳くんの世界が広がったように思います
幸い、補聴器を嫌がらず着けてくれているので助かっています
療育センターから療育園に入園するまでの流れ
まず、療育センターと療育園の違いはこちらです
療育センター・・・様々な症状の子どもたちがやってくる。難聴以外で言うと、自閉症、身体障がいや知的障がいの子、多動などの発達障がいの子……小児科と耳鼻科があり、診察以外に聴力などの検査室がある
療育園・・・4つか5つくらいあり、子どもの症状によって振り分けられる。福耳くんは難聴の子だけが通う療育園に入園。
次に、療育園入園までの流れです
①療育センターで診察や療育を受けて、どこで療育を受けるのが一番いいかを決めてもらう
②療育園を紹介してもらい、親の希望があれば見学をする(私は入園前に見学させてもらいました)
③療育園に入園するための手続きをする(住んでいる自治体の役所へ行って、必要書類を用意します)
④必要書類が揃ったら療育園と入園の為の契約を結ぶ
こんな感じでした
療育園に通えるようになるまでは療育センターで療育を受けましたので、切れ目なく支援をしてもらえました
補聴器購入について

中等度と軽度の難聴者は「障害者手帳」がありません
ですが補聴器で聴力を補うことが必要になる為、補聴器を購入する際に自治体から補助金が出ます
金額は自治体によって変わると思いますので割愛します
補助金を申請するために「医師の診断書」補聴器購入の為の「見積書」や「領収書」などが必要になります
流れをさらっと書きますと、
①医師の診断書をもらう
②補聴器店へ診断書のコピーを提出する
③補聴器店より補聴器の見積書をもらう
④役所に「診断書」と「見積書」を提出する
⑤役所から「補助金支給決定通知書」が手元に届く
⑥補聴器店へ補助金の支給が決まったことを連絡する
⑦補聴器店と補聴器の色や支払いについての相談
⑧購入して補聴器受け取り
⑨「領収書」と「負担額請求書」を役所へ提出
後日、補助金という形で補聴器購入費の一部が返金されます
役所には、最低でも2回行く必要があります
ただ、今はコロナ禍ですから、書類を郵送するとかほかの方法を取っている自治体もあるかもしれません
療育センターで診断書を書いてもらう際、「補聴器なしの聴力」と「補聴器有りの聴力」の検査結果が一定回数必要とのことでした(療育で毎回聴力検査を受けるので、その結果を提出しました)
補聴器を購入する業者は紹介をしてもらいました(福祉利用の補聴器なので、それらに詳しい補聴器業者で購入するのがいいそうです)
補聴器はびっくりするくらいカラフルで可愛いです
色は、落としたときも見つけやすいようにはっきりしたものを選ぶ方、あまり目立たないほうがいいと言われる方、色々だそうです
次男は赤にしました!
福耳くんのために始めたこと
難聴の確定診断が出てから、次男に家族でしてやれることを考えました
一つ目は
・私が在宅で仕事をする
療育園入園児に園長先生に尋ねたことがありました
「福耳くんは保育園に通うことが出来ますか?」
ということです
園長先生は
「もちろん通えます。ただ、福耳くんだけのことを考えるなら3歳くらいまでは自宅で一緒にいてあげてほしいです」
「理由は、補聴器が外れたときに自分でつけられるようになる頃だということと、自分の意志を伝えることが出来るようになる年齢だから」
とのことでした
私は福耳くんが1歳になる頃には仕事を始めようと思っていましたので悩みました
悩みましたが、一緒にいてあげたいという思いが強かったのもあり在宅ワークという選択をしました
二つ目は
・ゆるっと知育をする
それまで知育にあまり興味がなかったのですが、家にいる時間が長いのと乳児期は脳や体がめきめき発達する時期なのでやらない手はない、と思い始めました
と、言ってもがちがちに早期教育をしたいわけでもないので知育玩具のサブスクをやってます!
利用しているサブスクはこちらです↓
三つ目は
・絵本の読み聞かせを積極的にする
元々私が絵本好きなので上の子たちのときに買った絵本を読んだりしていましたが、療育園の先生にも勧められたので、やっぱり絵本すごいわ、と思いながらよく読んでいます
読み聞かせのいいところはこちらの記事にまとめました↓
最後に〜福耳くんのために心掛けていること〜

難聴だからと特別過保護にしているわけではないですが、福耳くんがこれから成長していく中で少しでも「困った」が減るように心掛けています
寝るときとお風呂以外は補聴器を着けるようにと言われていますので、外出の際も着けています
出会った人に「え、補聴器?」と驚かれることもありますが、「生まれつき難聴がありまして」ときちんと話しています
子どもの友達に「耳に何がついてるの?」と聞かれることもあります
「耳が聞こえにくいから補聴器を着けて聞こえやすくしてるんだよ」と伝えます
「あ、そうなんだねー」「ふーん」と素直に受け止めてくれています
子どもから親に伝わるでしょうが、むしろいちいち聞かれなくなるしいいかなと思っています
この辺りは人によって考え方が変わると思いますので、これが正しいと言いたいわけではありません
住んでいるところが田舎で、狭いコミュニティの中で福耳くんは成長していきますので、早くから知っておいてもらったほうがいいんじゃない?と思いそうしてます
我が家には健聴の子どもが2人おりますが、長女も長男も福耳くんのことをとてもよく考えて動いてくれます
長女は難聴の人たちが手話を使って会話することを聞いて、学校の図書室で手話の本を借りたそうです
福耳くんの本名を指文字で教えてくれました
長男は福耳くんの補聴器が外れそうになったり、福耳くんが取ったとき誰よりも先に教えてくれます
耳鼻科の先生や言語聴覚士さんにも言われましたが、難聴児を育てるには家族の連携が必要だそうです
母親だけに負担がかかることのないように周りの人も協力をしてほしいと思います
また、母親本人も周囲にヘルプを出していって欲しいと思います
☆おすすめ本の紹介☆

最後におすすめの本を紹介します
我が子がたくましく元気に成長するために、ぜひ読んでみてください
・難聴児の豊かな子育てガイドブック
〜カナダのブリティッシュコロンビア州で難聴と診断され「早期難聴診断療育プログラム」に登録された家族が必ず受け取る本。難聴児の両親は読むべき育児本〜
・はっきりきこえているかな?
〜子ども向けに難聴や補聴器のことをわかりやすく解説してある絵本。難聴児に兄弟姉妹がいるご家庭または保育園、幼稚園の先生向け〜
・遊びとしつけ
〜一歳半から始まる「イヤイヤ期」を乗り越えるために、新生児からすぐ出来る子育てのコツが書いてある育児本。全てのお母さんに読んでほしい1冊〜
・しゅわっとカード
兄弟姉妹がいるご家庭に。難聴の妹弟への理解を深めるために手話カードで遊んでみませんか?
☆合わせて読みたい☆
補聴器や育児に関する記事をまとめました